シリーズ石碑、です

神風(かむかぜ)の 伊勢の浜荻(はまをぎ) 折り伏せて
旅寝やすらむ 荒き浜辺に
万葉集 第四巻五〇〇
神風は神の威力によって起こる風
「神風の」は「伊勢」にかかる枕詞
神風が吹く伊勢の浜辺で
浜に生える荻を折り敷いて
旅寝をしているのでしょうね
荒涼とした浜辺で
基檀越の妻
夫が伊勢の国に
出掛けた時に詠みました
浜荻は、片葉の葦
ちなみに[原文]
神風之 伊勢乃濱荻 折伏 客宿也将為 荒濱邊尓

この力強く情緒ある筆跡は
9月1日、白寿を迎えた!
三津の玉船安蔵さんです♪

ほら、向かって左に
なびいてますよね、ほぼ
神風の吹き下ろす
麓の三津の葦っぱらです
ちなみに・・・
あたら夜を伊勢の浜荻折り敷きて
妹恋ひ知らに見つる月かな
千載集・羇旅・基俊
幾夜かは月をあはれとながめ来て
浪に折り敷く伊勢の浜荻
新古今集・羇旅・越前
風寒み伊勢の浜荻分けゆかば
衣かりがね浪に鳴くなり
新古今集・羇旅・匡房
など、数多く「伊勢の浜荻」は
詠まれています