お正月です
初詣で賑わう伊勢神宮
付近は渋滞で,もう大変,大変…
いえいえ,そういう渋滞の話ではなくってぇ…
現在でも全国からの参拝客で賑わう伊勢神宮
さて,車はもとより電車などの公共交通機関がなかった
江戸時代の伊勢詣はどんな感じだったのでしょうか?
もちろん,伊勢までの全行程の基本は歩き
(武家以外が馬に乗ることは『基本的』に禁止だったとか…)
どれくらいの日数で伊勢を目指したのでしょうか?
手元の本にその辺りについて
少し触れている本がありますので
抜き書きします
(以下は,『西垣晴次著:お伊勢まいり/岩波新書』より抜粋)
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時は嘉永六年(1853年)正月六日
現在の千葉県流山市から伊勢参宮を目指す
五人組御一行の記録があります
ちなみにこの嘉永六年という年
同年6月に浦賀にペリーが来航し
幕末の内外情勢がめまぐるしく変わる,そんな時代のお話です。
さて,6日に流山を出発した一行は
船で江戸川を下ります
そして金町(東京都葛飾区)に上陸し
午後四時過ぎ金町となりの新宿(にいじゅく)で昼食です
現在で言えば,この辺ですね
その後,日本橋・馬喰町へ向かいます
ここで待ち合わせの伊勢講一行と合流,計43名の大所帯
現在で言えばバスツアーくらいの人数ですね
この日はそのまま集合場所にあてがわれた
日本橋,辻屋平兵衛宅泊
一行用の箱根の関所通行手形も準備され
事実上の伊勢参宮の始まりです
7日,馬喰町を出発した一行は,品川宿で昼食
川崎大師に参詣して川崎宿泊
8日,藤沢宿(神奈川県藤沢市)泊
9日,小雨が降る中,箱根宿の福住屋九蔵方泊
10日,箱根権現に詣で,関所を通過。三島宿(静岡県三島市)泊
11日,大雨の中,三島を出発,吉原宿(静岡県富士市)泊
12日,富士川を渡り,由比宿(静岡県由比町)泊
13日,清見寺,久能山に立ち寄り
駿府伝馬町(静岡市葵区伝馬町)万屋清三郎方泊。
14日,天気が回復。仙元大菩薩(浅間社)へ詣で
安倍川,大井川を無事渡り,金谷宿(静岡県島田市)泊。
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この間,14日から20日までは手持ちの参考本に載っていませんです
ただ,その間に参詣した寺社は
16日秋葉山,18日鳳来寺,豊川稲荷だったと記されています
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20日,津島(愛知県津島市)泊
21日佐屋(愛西市;弥富近く)から桑名まで船で海上を渡る
22日,白子泊
23日,松阪泊
24日,宮川を渡り,山田へ入る
…正味18日の行程ですね
これだけの苦労をしてやってきた伊勢神宮
今の私たちが想像する以上に
伊勢へ来られた感慨もひとしおだったと想像できます
う〜ん,昔の人はえらいなぁ